11年前の大晦日近い粉雪の日
私はASHを保護しました
幼なじみとお茶をして 外に出た時
子猫の鳴き声がしたような気がして
二人で探しまわると たこ焼きの屋台の風よけのビニールに
小さな身体をうたれながら うずくまっていました
「昨日から居たよ」と言うセリフも耳に入らず 抱き上げて
マフラーで包み込んでいました
声も出ず 餌も飲み込めず 何より
掴んだ背中の皮膚が山になって元に戻らない状態だった
ひどい脱水症状と低体温で意識が殆ど無い子猫を
一週間 動物病院に出勤前に預け 帰宅後に受け取りに行っていた
それから11年 病気で獣医さんにかかる事のないASH
そのまま 普通に老いていくと想っていたのに
カリカリや煮干しを食べにくそうにしているなあ とは想っていた
くしゃみするので 風邪かなあ とも想ったりした
まさか
こんな小さな身体に
しかも小さいモノのたとえになる額に
ガンが出来るなんて想ってもみなかった
あっと言う間に顔が腫れて 病院に行くと
鼻の奥の悪性腫瘍だと言われる
一瞬 意味が分からず 絶句したまま 獣医さんの顔を見ていた
続く説明の写真には大きな影 額の骨も溶けているそうだ
内蔵は問題無いのだが 食べる行為も含め痛みがひどいらしく
痩せて来る
柔らかく 栄養のあるモノを少しずつ食べさせる
ASHは がんばって食べる
高い所にも飛び乗り 窓辺では気持ち良さそうに寝る
名前を呼ぶと 変形した顔で振り向いて 声を出さずに
「にゃああ」と返事をしてくれる
生まれて 初めて こんなに真剣に
「痛いの痛いの 飛んで行けー」を言った事は ありません
これからも 毎日 祈るように唱え続ける
何度でも
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